感激!!ヴィラ・マイレアに行きました!~フィンランド建築旅

学生時代から空間構成、素材の用い方に憧れていた、ヴィラ・マイレア(マイレア邸)。
2012年、フィンランド旅に行くことが決まった時に、ここだけはどんなことがあっても外せない、と思いました。そして、行くことができて本当に感動しました。

学生時代フィンランドに訪れたときはアアルトに関連する書籍も少なく、インターネットも充実していなかったので、まさかアアルトデザインの住宅が見学できるなんて思ってもいませんでした。

(当時から見学はできたようなのですが住宅の見学は夏季限定。学生の時は冬にフィンランドに訪れましたので無理でしたね。)

中庭から見たヴィラマイレア

小高い丘の上に建つ、美しい住宅ヴィラ・マイレア

ヴィラ・マイレアは田園風景を見下ろす小高い丘の上に建ちます。
この土地を選んだのは、開放的な建物を森で守られるように、森と一体となるように作るためだったのではないかなと思います。

ヴィラ・マイレアまでの道はリンゴ果樹園や白樺並木。
本当に美しい小路から、森にあがっていくと美しい建物が見えてきます。

マイレア邸がある丘

ノールマルックのマイレア邸がある丘と果樹園

マイレア邸の室内で見学できる1階フロア

ヴィラマイレアの内部、見学可能なのは、玄関、リビング、書斎、ダイニング。
1階のフロアのみです。ガイドさんもついています。
まだマイレのお子さん一家がこの家を使われていて プライベートな空間は見せられないから、という理由で見学スペースが決められているそうです。

でも、その点がとても素晴らしい。
住宅としての機能を失っていないのです。

住まいとして生きている。それを感じる住宅でした。
アアルトがつくりだした住空間の良さを伝えるべく公開していることにとても感謝しています

森の中にそびえるヴィラマイレア

暖炉のあるリビング

空間は連続しながら段差や床の素材の変化等で空間の意味分けをしています。

連続しながら空間を分ける。
扉があるわけではないので連続した空間だけれども、床の素材が異なるので別空間と感じる。

柱を細く見せ、森の中にいるようなデザイン。
建物が森の中にあるので、外部と一体感を感じるような美しい空間です。

内部の写真撮影はNGなので、アアルトの有機的なデザインとして有名な暖炉のスケッチを描きました。

見学時間も短く、解説を聞きながら相当ラフに描いてますが、素材の切り替え、空間の切り替えの面白さを自分なりにスケッチの中に残してきました。

ヴィラ・マイレアの暖炉をスケッチしました

玄関からリビングにつながるアプローチ、連続しながら空間を分ける

玄関からリビングにつながるアプローチが本当に美しい。

書斎に関しては上部をOPENとした壁で間仕切りしていますが、玄関からリビング、ダイニング、書斎、そして上階に上がる階段は連続した空間にあります。

玄関は床の高低差と曲面の腰壁、木を思わせる格子などでゾーン分けを。

リビングの様子

玄関からリビングへ

フィンランドで感じた日本空間の美しさ

そしてとても驚いたのが、日本の建物の美しさをアアルトが取り入れていた、というガイドさんのお話でした。
今までアアルトの建築写真をたくさん見てきたつもりだったのですが、実際にこの空間に入るまで、日本の要素を取り入れていたことを私は理解していませんでした。

細い柱、すだれのようなウッドブラインド、格子戸、引込戸。

フィンランドのマイレア邸で日本を見た

「ウインターガーデン」を屋外から眺める

自由に見学ができた外部空間

外部は自由に見学ができましたので、一周ぐるりとまわってみます。

細い垂直ラインを見せる玄関

ヴィラマイレアの玄関

随所に見られる、細い垂直ライン。

スチールの柱で垂直方向のラインを細く見せ、格子や細い木を間仕切りにすることで、屋根や上階の床を軽く見せている印象があります。

それは日本の数寄屋に見られる線の細さへの憧れがあったそうです。
木製の引き戸をよく使われている点にも日本の木造建築への敬意を感じます。

曲線で延びる庇と細い格子で囲まれた玄関前アプローチ

力強く大地から延びるデザイン

アアルトの空間は、日本だけでなくイタリアやスペインなどの建築の影響も受けています。

力強く大地から延びる植物、壁に沿わせて蔦をはわせる支柱を設けています。
このラインの曲線がとても美しいですね。

あたたかく、生命力がある地域の力強さに憧れていたのかもしれません。

フィンランドは冬になると自然が凍ったようになり、陽もあたらない時間が増えますから。

蔦をはわせる支柱のラインのデザインが美しい

有機的なフォルム

玄関ドアの取っ手は枝みたいなデザインです。

アアルトのデザインは有機的だと言われるけれど
素直に「自然、植物」のフォルムを、かたちにしているだけなのでしょう。

丸い小窓や木の枝のようなデザインのドアハンドル。扉も細かい木の板張りで。

水平連続窓、近代建築の象徴

花に囲まれたリビングの窓。
「水平連続窓」ですね。
近代建築の象徴的な部分。

窓外にたくさんの植物が植えられていますが、室内にも窓際に植物がたくさん置かれています。
これが、内と外の一体感、連続性、自然を室内に取り込むアアルトならではのデザインだと思います。

水平連続窓。窓外に植物がたくさん植えられています。

伝統的な建築要素も取り込むデザイン

アアルトは伝統的な部分も大切にしながら、自分のデザインと融合させているところも素晴らしいです。
どのお住まいも必ず伝統的な暖炉は組み込まれています。

フィンランドの環境に必要なものを大切に守りながら
住まいの近代化をはかったアアルトらしさを感じます。

セイナヨキの公共建築などでよく使われたブルーのタイル。その奥には暖炉があります。

伝統的なサウナを新しいデザインの建物に取り込む

中庭を囲む、一番奥の建物はサウナ。
サウナは伝統的な作りのものです。同じように暖炉などの生活に必要なものは伝統的なスタイルを近代建築のスタイルと融合させています。

メインの建物、庭を愉しむテラス、サウナとつながる配置が、森の中、自然の中でも守られていると感じる囲まれた空間を作り出しています。

プールの奥に設けられたのがサウナ

手を加えながら大切に住まう

ヴィラマイレアに職人さんがいて、丁寧に改修工事中

一番高さが見られる部分は工事中。

少しずつ手を加えながら、大切に住まわれていることが分かります。
ヴィラマイレアの予約ですが、個人で申し込むには曜日・時間が限定されているようですが、団体であると交渉も可能みたいです。
本来は入れないはずの日に、一人だけなら他のグループの見学に入れるよ、と予約させてもらえました。
ほとんどの見学者が団体で、車やバスなどで日帰りで来られていましたが、ノルマルクの街にステイしてゆっくりヴィラマイレアを楽しむことをオススメします。

villa mairea 1937-39
Pikkukoivukuja 20, 29600 Noormarkku

参考 villa maireaヴィラマイレア